AI規制の世界的潮流:EU AI法の施行と各国企業の対応
著者:Re:Japan通信 編集部 (Global News Desk)
2026年、AI技術の急速な進化に伴い、世界各国で法整備が急ピッチで進んでいます。特にEU(欧州連合)で施行された「AI法(EU AI
Act)」は、世界初の包括的なAI規制として注目を集めており、日本を含む各国の企業活動にも大きな影響を与え始めています。本記事では、最新のグローバルなAI規制の動向と、日本企業が取るべき対策について解説します。
EU AI法の概要
EU AI法は、AIシステムをリスクレベルに応じて4段階に分類し、それぞれに異なる義務を課すものです。
- 許容できないリスク(禁止): 社会的スコアリングや無差別な監視など、人権を侵害するAI利用は禁止されます。
- 高リスク(厳格な義務): インフラ管理、雇用、教育、医療などで使用されるAIは、厳格な適合性評価、品質管理、人間による監視が義務付けられます。
- 限定的なリスク(透明性義務): チャットボットやディープフェイクなどは、AIであることを明示する透明性が求められます。
- 最小限のリスク(規制なし): スパムフィルターやゲームAIなど、大半のAI利用は規制の対象外です。
米国・中国の動向
EUだけでなく、米国や中国も独自の規制強化に動いています。
- 米国: 大統領令によるAI安全性評価の義務化や、特定分野(医療、金融)でのガイドライン策定が進んでいます。イノベーションを阻害しない形での規制を模索しています。
- 中国: 生成AIサービスに対する事前審査制度を導入し、国家安全保障や社会秩序の維持を重視した厳しい規制を行っています。
日本企業への影響と対策
グローバルに展開する日本企業にとって、これらの規制への対応は避けて通れません。特にEU市場でビジネスを行う場合、高額な制裁金(最大で全世界売上高の7%)が科される可能性があるため、早急な対応が必要です。
取るべきアクション
- AIインベントリの作成: 自社で利用・開発しているAIシステムを洗い出し、リスクレベルを分類する。
- ガバナンス体制の構築: AI倫理規定の策定や、責任者の設置など、組織的な管理体制を整える。
- 最新情報の収集: 各国の規制は絶えず変化しているため、法務部門や外部専門家と連携し、常に最新情報をキャッチアップする。
まとめ
AI規制は単なる「縛り」ではなく、安全で信頼できるAI社会を構築するための基盤です。企業は規制対応をコストと捉えるのではなく、信頼性という競争力を高める機会として捉え、能動的に取り組むことが求められています。
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